木材の湿度特性

木材の湿度特性

木材は吸湿性の素材なので、水分を吸収します。木材に水分が浸み込む方法は3通りあります。毛管現象により細胞組織を通る液体、細胞組織を通る蒸気、細胞壁を通る分子拡散の3通りです。木材の含水率とは、木材の中の水分の質量と水分を含まない木材の質量との間の関係です(例えば、100kgの木材に50kgの水分が含まれている場合、水分の割合は100%になります)。挽いたばかりの木材に含まれる水分は通常40~200%です。通常の使用では、木材の含水率は重量の8%から25%の間で、空気中の相対湿度により異なります。

木材の平衡含水率は気温と相対湿度に一致している状態で、木材の含水率は安定した状態です。木材の平衡含水率は空気中の絶対湿度ではなく、相対湿度により決まりますので注意が必要です。相対湿度とは一般的な気温で空気が保持することができる水分量の上限に対する、空気中の水分の割合のことです。予備乾燥をした木材は2週間ほどで平衡含水率に達します。繊維飽和点とは細胞壁が水で飽和状態になった木材の水分の割合ですが、細胞組織の中に自由水はありません。乾燥が進むと木材が収縮し始め、含水率が飽和点を下回ります。同様に、木材が濡れても飽和点で膨張は止まります。フィンランドの主な木材の飽和点は気温20℃で約30%です。木材の水分を吸収、放出する性質(水分特性)は構造材として使用する際の利点となります。例えば、木材をベースにした断熱材を建築に使うと、構造材の湿度の変化のバランスが取れます。

木材は年輪に対して放射方向、接線方向、木目の方向で収縮率や膨張率は異なります。この現象を異方性と呼びます。完全に濡れた状態から乾燥した状態まで乾燥が進むにつれ木材が収縮します。接線方向で平均8%、放射方向で約4%、木目の方向で0.2~0.4%です。心材は表面に比べるとより乾燥しているため、木材の乾燥が難しくなります。異方性と木材の内部張力も、木材が乾燥する際にゆがみの原因になります。建築では木材の水分の変化も考慮してください。例えば、水分の変化により建物の枠組が中央部分で沈む可能性もあります。さらに、木材が接線方向に大きく収縮することで、大きな木材にひびが入ることもあります。木材のひびは通常、芯から近い表面に現れます。

木材の密度が高くなるにつれ、水分による収縮と膨張が起きやすくなります。木材を乾燥させると強度特性が向上します。例えば、木材を生材の状態から12~15%にまで乾燥させると、木材の耐圧強度や曲げ強度は約2倍になります。木材の引張強度含水率が6~12%のときが最も高くなります。木材を乾燥させるときに、含水率が繊維飽和点まで下がると、強度特性は飛躍的に向上します。木造建築で寸法を測る際にも、木材の含水率によって強度が変わるため注意が必要です。

木材の含水率が長期間にわたって20%を超えた状態が続くと、損傷が出始めます。そのような場合は、周囲の空気の相対湿度が約80~90%を超えていることがほとんどです。木材の周囲の空気の相対湿度が80%を超えると、2、3ヶ月でカビが生え始めます。相対湿度70%が臨界値と見なされます。空気中の相対湿度が90%を超えると、木材が腐り始めます。ただし、木材にカビが生えたり腐ったりする条件は、気温が0℃~40℃の間です。氷点下で長期間空気中の相対湿度が85%を超えていても、木材に損傷は出ません。これはカビが繁殖したりや腐敗が進んだりするには、気温が低すぎるからです。カビが繁殖するには、カビの胞子や腐敗菌にも酸素や栄養が必要で、これは木材や周囲の空気中に多く含まれています。

カビは木材の表面より深くまで浸透することはできないので、木材の強度に関しては問題はありません。ただし、カビによって広がった胞子は健康に害を及ぼします。カビの胞子により、鼻水、めまい、頭痛などのアレルギー反応や軽度の中毒症状が現れる場合があります。そのため、カビの発生には十分な注意が必要です。木材の風化はしばしばカビの発生と誤った比較をされることがあります。木材の風化は青変病による色素沈着のことで、木材の構造部の深い部分にまで達します。青変病は胞子や菌糸体が成長するにつれて広がり、特に二酸化炭素を貯蔵している針葉樹によく見られます。青変病は気温が5℃以下であれば発生しません。風化は基本的に木材の強度に影響することはありません。

木材製品の含水量の気温と空気中の相対湿度による変化

用途例(赤い点線)

- ソースデータ

- 室温22℃

- 室内の相対湿度50%

ソースデータに基づいたケースでは、この表によれば木材の含水量は約9.5%